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スマホやパソコンの画面で目が・・・未曾有の近視時代。画面との付き合い方を知って正しく目を守ろう

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今やデジタル画面を見ることは多くの人にとって生活の一部。

そんな中、子どもと大人の視力低下、とりわけ近視が止まりません。

有史以来人類が初めて体験する未曾有の近視時代。近視パンデミックとさえ言われるこの時代に求められるのは、デジタル画面との正しい付き合い方を知って、自身で目を守るということでした。

近年進む子どもの近視

視力には近視、遠視、老眼などがあります。遠くのものが見えづらくなるのが近視ですが、この患者が急増しています。

WHO(世界保健機関)は、2050年に世界人口の過半数の50億近くの人が近視になるとして対策の必要性を表明したところです。

日本では近年子どもの近視が深刻な状況で、文部科学省が行った令和4年度学校保健統計によると、裸眼視力1以下の小学生は37.88%と過去最高となりました。また、10年ほど前から10代の内斜視(後天性内斜視)の患者数が急増している傾向が日本を含む世界で認められています。

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出典:「令和4年度学校保健統計確定値」(文部科学省) (令和6年2月15日に利用) 

以下は小学生10歳以上から高校生までのスマホ、GIGA端末の利用率です。
GIGA端末とは学校から配布されるパソコンやタブレットのことで、GIGAスクール構想で最近全小中学校に1人1台配布されたところです。そんな背景もあり、令和4年のスマホ利用率は小学生では59.5%、中学生では86.8%に増加しています。

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出典:「令和4年度学校保健統計確定値」(文部科学省) (令和6年2月17日に利用) 

統計データをつき合わせただけでは視力低下の関係を明確にすることはできません。しかし、1日当たりのスマートフォン利用時間が長いほど、眼精疲労、かすみ、視力障害、炎症など眼症状を有する確率が高くなること*がわかっています。
*出典論文

ブルーライトは視力低下の原因か?ナイトモード、Night Shiftは有効?

画面の明るさを軽減する機能が最近の端末に搭載されるようになりました。これは画面から発する寒色系の色味を減らして暖色系の色味にシフトさせるもので、Windowsならナイトモード、iPhoneやMacbookならNight Shiftという機能です。

画面から発せられるブルーライトをカットすることにより眼精疲労を軽減できると一般的に言われています。

実際、プログラマーやコーダーなど長時間画面を見続け細かな文字を入力する職業の人には、ナイトモードで目が疲れにくくなる、Night Shiftをかけないともはや作業ができない、という声もあります。

一方、実用端末の画面から発せられるブルーライトと視力低下の関係についてはまだよく分かっていません。

主に海外で研究が進められているところですが、現在のところ画面から出る光により、目の疾患が生じるという例は知られていない**ということです。日本眼科学会などは「子供たちにブルーライトカット眼鏡が必要か」という質問に対して、「米国眼科アカデミーはブルーライトカット眼鏡を推奨しません」と記載しています***。

**出典論文

***小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見

画面を近くで見続けることが近視の原因の一つか

ゲームや動画閲覧などでスマホなどデジタル画面を長時間、近い距離ないし同じ距離でデジタル画面で見続けることが、視力低下を引き起こしていると考える専門家が多いようです。つまり、画面を近い距離で見続ける時間が多いと、眼軸(角膜から網膜の間の距離)がのびて近視になるとされます。

目を守るための正しい画面の見方

文部科学省と日本眼科医会は子ども向けにスマホなどデジタル画面の正しい見方を解説していますので、ここに許可を得て掲載します。

ポイントは30cm以上画面から目を離すこと、30分画面を見たら遠くを見ること。小学6年生なら、ひじから手の先までが35〜40cmくらいですので、ご参考にしてみてください。

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他にも目を守るための対策が分かりやすくまとめられているので、ぜひご参考下さい▼
子どもの目・啓発コンテンツについて(日本眼科医会HP)

動画を観たり検索して調べ物をしているうちに、ついつい画面を近くで見てしまいがち。分かっているのになかなかできないのは歯磨きに似ています。正しい歯磨き習慣が歯を守るように、正しいスマホ習慣が目を守ります。ご自身やご家族でぜひ身につけていきたいものですね。

Article written by ヒノキブンコ

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